歯周治療後のメインテナンス
歯周治療後のメインテナンスについて

先月までは、歯周治療についての少し専門的な お話をさせて頂きました。
今回は歯周治療後のメインテナンスについての お話です。

 歯周病は完全には治らないので、歯周治療の目的は、歯周病の進行停止という事になります。
そして、歯周治療後のメインテナンスの目的は、再発の防止。
                  最大の課題は、再発の早期発見・早期対応です。。
そのため、メインテナンス時にはプロービング(歯周ポケットの深さを計測)し、
BOP(計測時の出血)の有無を調べます。
 再発は、何らかの原因で歯肉縁下プラークが再び増えて、歯肉に炎症を引き起こす量に達した段階で始まります。
 歯周ポケット内に炎症が起きているかどうかは、BOPを調べる事で分かるのです。

 つまり、
BOPがある = アタッチメントロスがある。
      =縁下プラークがある。
      =歯周病が再発した。
という事になるのです。

 再発の早期発見・早期対応のためには、必要に応じた間隔での定期的なメインテナンスが大切
なのです。

 再発のリスクが高い人ほど、メインテナンスの間隔は短くなります。
①歯周病にかかりやすい人(全歯周病患者のうち10%)
   メインテナンスに入った段階で、歯を支えている歯槽骨が少なくなっている人で、
   年齢が若い人ほどリスクが高いです。
②歯肉縁上プラークコントロールのレベルに問題がある人。
③BOPのある部位が、30%を超える人。
 以上に該当する場合、歯周病が再発や進行しやすいので、
短い間隔でのメインテナンスをお勧め致します。

飯田歯科 チーム歯科衛生士
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SRP後の評価
歯周病について専門的な話のシリーズを長い間このブログでアップしてきました。
しかし、それも今回が最終回です。

今回の内容は:SRP後の評価
SRPとは歯周病のポケットの中の掃除のことです。
ここは患者様本人ではきれいにできないので歯科医院ですることになります。

・SRP 処置当日に治療効果は判定できない
SRPにより、プラークと歯肉縁下歯石を丁寧に取り除いた後、器具で根面(歯の根)をさわり、ザラザラした感じがなく歯石はもうないと判断しても、実際は多くの場合で歯石が残っています。
そこで、縁下歯石がなくなった証拠はないけれど「残ってる証拠もない」状態をザラザラ感がなくなったことで判定して、とりあえず当日のSRP を終了する基準にしています。
治療効果のあるSRP が出来たかは、歯周組織の治癒をある程度待ってみないと判定することができないのです。


・SRP 効果の判断
最初にSRP の目的は、歯周ポケットに面する歯肉の炎症をなくすことです。
そこで、患者さんにとってSRP の効果があったかは、歯周ポケット内部の炎症が消えたかどうかで判定します。
歯周ポケットの底まで、プロービングした後のBoPが(-)[歯周ポケットからの出血無し]なら、炎症は消えて、SRP の治療効果があったことを示します。炎症が消失すると、歯周ポケットの閉鎖が起こり、歯周ポケットの深さも浅くなり、SRP の効果があったことを示します。

・BoP の原因を考える
歯周ポケットからのBoP が(+)なら必ず歯肉縁下プラークが存在します。
SRP 後に縁下プラークが存在する理由
1.歯周ポケットが深く、底の方の縁下プラークまで器具が届きにくい。

2.歯肉縁上プラークコントロール(ブラッシング)が不十分。SRP により縁下プラークを減少させても縁上からプラークが再侵入してくると効果がありません。

これらの他に歯の形態、処置を行う部位(前歯、奥歯)などによってSRP の難易度に影響がでます。


・SRP の限界 歯周外科治療
縁上のプラークコントロールが出来ていて、SRP をしてもBoP (+)な場合は縁下プラークの取り残しを意味します。取り残しの原因は先ほどお話しましたが、この場合フラップ手術という外科治療を行うということも一つの選択になります。

・フラップ手術・
歯肉を切開して、歯根面についた縁下歯石、縁下 プラークを目で直接見て除去していく方法。

ただし、フラップ手術では健康なアタッチメントもある程度失う欠点があります。歯周ポケットが6㎜より深い場合、治療効果のプラス面の方がアタッチメントロスのマイナス面を上回る可能性が高いとされています。逆に、浅い歯周ポケットではSRP の方が効果的です。

・処置後2週間からBoP で判断できる
歯周ポケット内の炎症が消失し、BoP が(-)になるには、早い人で2週間、または4~5週間の期間が必要です。
ポケットの深さの変化よりもBoP の変化の方が約2倍早いので治療効果の判断材料として使います。
SRP 終了後2週間でBoP (-)なら効果があったと判定できます。もし、4~5週間経ってもBoP (+)な場合は、歯周ポケット内部にプラークが残存し炎症が消失してないことを示します。
ポケットの深さはBoP が(-)になってさらに1ヶ月後ぐらいから改善していきます。

デンタルハイジーン別冊 「歯周治療レッスンブック」より一部引用

飯田歯科の歯周病治療ページでは、図も使用してわかりやすく説明しておりますので、興味のある方は左のオレンジ文字をクリックしてご覧ください。

このシリーズは左の「歯周病」のところをクリックしてもらうと流れで見ていただけます。


飯田歯科 予防歯科チーム 伊東
SRPを始めるタイミングは患者さんしだい
今回の歯周病のお話は、SRPを始めるタイミングについてです。
(SRPとは歯周ポケットが深い患者様のポケットの奥を掃除する治療です。)

基本的に歯周治療を始めてSRPをしていくタイミングは、患者さん自身によるプラークコントロール(自宅でのブラッシング)状態が良好になった後と考えています。


・プラークコントロールが良好な状態とは?
プラークコントロールの目的は、炎症が生じないレベルまでプラーク量を減らすことです。
しかし、SRPに必要なレベルまでプラークコントロールが出来ているかの判断は、プラーク量だけでは分かりません。人によって炎症が起きるプラーク量や質が異なるためです。そのために「原因」のプラークではなく、「結果」の歯肉の炎症の有無を見ます。歯と歯肉の境目を軽く触り、そこから出血が見られなかった場合は、歯周ポケットの入口付近の歯肉には炎症がないことを示し、プラークコントロールが良好つまり、SRPが開始できる状態といえます。逆に出血が見られた場合はプラークコントロールがまだ不十分でSRPを開始することは出来ないということになります。


・プラークコントロール確立の必要性
歯周炎の患者さんにSRPを行うと、歯周ポケット中の細菌数が激減します。プラークコントロールが良好な状態だと改善されたまま持続され、歯周ポケットの深さも浅くなり、炎症も落ち着きます。しかし、除去した細菌は少しずつ後戻りしていき、数ヶ月後には元に戻るというデータがあります。これを防ぐために患者さん自身のプラークコントロールが重要になってくるのです。何故なら、プラークコントロールが不十分だとSRP後の細菌の後戻りがさらに早くなるといわれているからです。
プラークコントロールの不良が原因で炎症を繰り返すと歯周病菌がはびこりやすい環境になってしまいます。このため、プラークコントロールが出来ていないままSRPを行っても結果、何の意味も示さないのです。


SRPのリスク
健康な状態の歯肉にSRPを繰り返し行うと、少量ではありますが、アタッチメントロスが起こります。これを歯周炎になっている歯肉に行うともっと危険が増します。
歯周炎にSRPを行うことは歯周ポケットの細菌を減少させるので、治療効果は高いですが、同時にアタッチメントロスを起こすマイナスな面も持っています。
プラークコントロールが確立された状態でSRPを行うと、深い歯周ポケットではプラスの治療効果の方が大きいですが、浅い歯周ポケットだとアタッチメントロスを起こす可能性が大きくなるというマイナス面の方が目立ちます。
しかし、これは、あくまでプラークコントロールが確立した状態の話であり、そもそもプラークコントロールが確立されていない状態ではSRPをやってもアタッチメントロスを進行させているだけの結果になる可能性があります。プラークコントロールが不良の状態でSRPを行っても、状態が改善するどころかさらに病状を悪化させる可能性が高くなるのです。

デンタルハイジーン別冊 「歯周治療レッスンブック」より一部引用

飯田歯科の歯周病治療ページでは、図も使用してわかりやすく説明しておりますので、興味のある方は左のオレンジ文字をクリックしてご覧ください。

大阪府堺市飯田歯科 歯科衛生士チーム
痛いSRPと痛くないSRP
前回のこのコーナーでは、SRPを行ってよいタイミングのお話をさせていただきましたので、ここでは いざSRPを行う時の痛みについてのお話です。

歯科の苦手な方は、あのキーンという音と痛みではないでしょうか?
ただ最近は昔に比べて麻酔の痛みも軽減されています。
しかし、SRPに関しては、以前なら、ほとんど麻酔を使用していましたが、今は麻酔無しで行う方針となって来ています。
その理由を、この8時限目でお話させて頂きます。

痛みとは‥不快な痛みは外から加わる刺激が身体に害がありそうな場合や、実際に害がある場合に生じる生体からの一種の警報です。


SRPを行う上で痛みの原因となるのは、
汚れの付いている深さと
形態の複雑さ、それと術者の技術力の可能性があります。
それを防止するには、
①技術力をあげる為の練習
②正しく器具を選択する
③術直前のプロービングで根面の状態を立体的に把握する。
④SRP中のポケット内の触知感を大切にする。

SRPの痛みを軽減する方向として、麻酔がありますが、麻酔については
『少々のアタッチメントの喪失を恐れるより、プラークや歯石を取り残す
危険性を避ける為に使用すると言う考え方』
もありますが、その場合は生体からの警報がなくなるので、術者の熟練した技術が重要となります。

積極的に麻酔するか しないかは患者さんの希望や医院の方針もあると思います。

SRPに至るまでには、患者さま 歯科医師 衛生士がしっかりコミュニケーションを重ねて 将来的な事もビジョンに入れてチームを組んで行う処置となるので、
何か不安や疑問に思ったことは 何でも相談して下さい。

歯周治療 レッスンブックより
一部引用。
歯科衛生士チーム 森本
歯周病治療⑦ プロービング時の3種類の出血
今回も少し専門的な歯周病の話です。

プロービングとは、
歯周ポケットの深さ、
プロービング時の出血の有無、
アタッチメント(歯の根を周囲の歯肉や歯の周りの骨が繊維の束で繋ぎ止められている状態の程度)
歯周ポケット部分の歯の表面を探知し、歯の周囲の組織の状態を把握する為の検査です。

プロービング時の出血(BOP、BI)は、何故起きるのか?それは、
≪歯面にプラークが付着

プラークに接した歯面表面から1~2ミリ
の深さ迄、炎症が生じる

炎症が起こっている組織の毛細血管は、
血管内から血球等が外に出やすい状態に
なる。

プローブか軽く触れただけで出血する≫

つまり、プロービング時の出血(BOP、BI)がある、イコール、歯肉に炎症がある。
それは、歯肉の上端でも、歯周ポケットの内側の歯肉でも、炎症が起きていれば同じという事です。
歯ブラシの時に、痛みはないけど出血がある、という事は、そこに病気がある、という事なのです、

プロービング時の出血の有無を調べる事は、
初期歯周治療後のメインテナンスの期間の、
病気の進行や再発の発見に役立ちます。

プロービング時の出血には、3種類あり、
それぞれ示す内容が異なります。

①歯周炎による出血(BOP)
エナメル質とセメント質の境目の部分迄よりも深い歯周ポケット内の炎症の有無を示します。
     (歯肉縁下プラークによる炎症)
歯根面の清浄化を行った後に、歯肉縁下の状態を確認します。

②歯肉炎による出血(BOP)

③歯肉辺縁部炎症による出血(BI)

②と③は、歯肉縁上プラークコントロール不良による炎症を示し、出血の有無で、歯肉縁上の清掃状態を評価します。
つまり、歯ブラシのみで治癒させる事が出来ます。

①は、歯周炎の治療を、歯科医院で受ける必要があるのです。

このようにプロービングは歯周病の検査でとても重要な検査です。
歯肉をチクチクつついて患者様からの評判は悪いですが、定期的な検査はとても大切なので頑張りましょう!

デンタルハイジーン別冊 「歯周治療レッスンブック」より一部引用

飯田歯科の歯周病治療ページでは、図も使用してわかりやすく説明しておりますので、興味のある方は左のオレンジ文字をクリックしてご覧ください。

大阪府堺市飯田歯科 歯科衛生士チーム
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